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来年のスギ花粉症に対する生物学的製剤という選択肢

[2026.04.26]

 今年も花粉症にお悩みの患者様が多数ご来院されており、患者様と相談の上で症状にあったお薬にて対応させていただいております。今年のスギ花粉症のピークは過ぎましたが、東海地方では5月まで飛散していると言われ、近日の外来でも花粉症状に悩まれている患者様もおられます。

 例年、静岡市は全国の中でも花粉の飛散量は全国首位を独走しており、静岡県は花粉症持ちが多い都道府県全国1位です。春から静岡に転居を機に花粉症を発症・自覚された方もいたのではないでしょうか?
そこで、今回のコラムでは毎年花粉症にお悩みの患者様の中で一定条件を満たす患者様に、注射による生物学的製剤の選択肢のお話をさせていただきます。

生物学的製剤について

 一般的な花粉症の飲み薬は、体内で作られたアレルギー原因物質の働きをブロックすることで症状を和らげます。

一方、生物学的製剤はアレルギーを引き起こす原因物質「IgE抗体」に直接結合してブロックして、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみなど、花粉症のほぼ全ての症状を改善する治療法です。

 現在、季節性アレルギー性鼻炎に対し適応のある生物学的製剤であるゾレア ® (オマリズマブ)は、既存治療で効果が不十分な重症・最重症のスギ花粉症(12歳以上対象)に用いられる皮下注射薬です。2~5月の期間限定で、2~4週間おきに皮下注射しアレルギー反応の根本から抑えます。

 

●このような方におすすめです

・毎年思い花粉症に悩まされて、抗ヒスタミン薬等の内服や点鼻を内服しても効果がない。
・鼻づまりがひどくて就寝時に起こされ、日中に倦怠感が続く。

・集中力が低下し仕事や学業のパフォーマンスが低下する。
・内服すると眠気が出て運転や日常生活に影響する。
・受験生


●ゾレア(オマリズマブ)を投与できる患者様
✔ 重症・最重症のスギ花粉症で、前スギ花粉シーズンでも重症な症状があった
✔ 既存の治療薬(抗ヒスタミン薬など)を1週間以上服用しても、鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの強い
症状が残る(効果不十分)
✔ 血液検査の結果:①スギ花粉抗原に対する抗体(血清特異的IgE抗体)の数値がクラス3以上

②血清中総IgE濃度が規定の範囲内(30〜1,500 IU/ml)

✔ 年齢が12歳以上、体重が20~150kg
●費用
 生物学的製剤の薬剤費は高価です。また投与量と費用は患者様の「体重」と「血液検査で判明する血清総IgE値」の組み合わせによって個別に決定します。そのため、患者様によって1回あたりの注射費用や、2週間毎・4週間毎といった投与間隔が異なります。
保険適用(3割負担)の場合、1ヶ月あたりの薬剤費の自己負担額の目安は、約4,500円〜約70,000円と幅があり、投与量・回数によって金額が変わります(※別途、診察料や検査料、処方箋料などがかかります)

高額療養費制度: 1ヶ月の医療費が高額になった場合は年収や支払額によっては高額療養費制度(限度額適用認定証)の対象となり、負担が軽減される場合があります。また年間を通じての医療費控除の対象にもなりますので、領収書は大切に保管してください。

スギ花粉抗原に対する抗体(血清特異的IgE抗体)検査は、花粉症シーズンになると検査数の増加により結果が出るまでに通常よりも日数を要します。来年のスギ花粉のシーズンに備え検討したい患者様は、来年の飛散まで時間的猶予があるこの時期だからこそ早めに検査数値を確認することをおすすめします。また、不明点等ございましたら、お気軽にご相談ください。

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