気象病
我が家の賑やか3姉妹の長靴とカッパの出動要請が近づいて参りました。皆様の梅雨入り準備はいかがでしょうか?
さて、当院初の院長コラムは気象病についてです。季節の変わり目や梅雨・台風の時期などに具合の悪くなる方はいませんか?
気象病とは、気圧や気温の変化(寒暖差)、湿度などの気象条件が変化することによって、心身ともにさまざまな不調が出ることを言います。
正式な病気として認定されている訳ではないですが、気象病は患者さんの生活に支障をきたしてしまう辛い不調です。重症度は「雨の降る前は何となく不調」という方から、「寝込んでしまって学校や仕事に行けない」という方までさまざまなケースがあります。
気象病の症状
気象病の症状は、本当にさまざまです。頭痛を訴える方が多いですが、他にも症状は沢山あります。
- 頭痛(もともと緊張型頭痛、片頭痛を持っている方は、ともに悪化しやすいです。)
- 全身倦怠感
- 首こり、肩こり
- めまい
- 耳鳴り・耳がこもった感じ
- 咳が出やすい・止まらなくなる(喘息のような症状又は、喘息の悪化)
- 消化器症状(吐き気・胃痛・下痢・便秘など)
- 動悸
- 低血圧・血圧の変動
- 朝起きられない
- メンタルの不調
- 古傷の痛み、関節痛
- 神経痛
- 鼻炎
- 冷え性(手足、体幹、体全体)
- 手足のしびれ など
気象病は自律神経とセットで考える
気象病と深く関係しているのは自律神経です。
気圧の変化や寒暖差、湿度の変化などが起こると、自律神経がその変化に合わせて体温調整や身体のコンディションの調節がなされます。そのため、気象変化が激しい時ほど自律神経は酷使されていることになります。
何らかの要因で元々自律神経が乱れている方やストレスの多い方などは、気象病にもなりやすいです。逆に、気象病の治療や対策に加えて、自律神経を整えるためのメンテナンスをすると、気象変化に強い体づくりにつながります。
気象病の方は増えています
最近では、「自分は気象病なのでは…?」と思われている方が多いです。まずはチェックをしてみましょう。
チェックリスト
- 天候が変わるときに体調が悪い
- 雨が降る前や天候が変わる前になんとなく予測ができる
- 頭痛持ちである
- 耳鳴りやめまいが起きやすい
- 肩こり・首こり持ち
- 姿勢が悪い。猫背・反り腰などがある
- 乗り物酔いをしやすい
- スマホやパソコンを使用する時間が長い(1日4時間以上)
- ストレッチや柔軟をすることが少ない
- 歯の食いしばり、歯ぎしり、歯の治療が多い。顎関節症がある。
- 年中エアコンが効いた環境にいることが多い
- 日常的にストレスの多い生活をしている
- 更年期障害ではないか?と感じることがある(男女ともに)
※1・2番目にチェックがつけばほぼ気象病と言って良いでしょう。3つ目以降に3つ以上チェックがついた方は、予備軍と考えて良いです。
最近は気象変化による自律神経系の不調を訴える方が増えています。スマホやパソコンを使用するのは当たり前、情報過多、異常気象などストレスフルな社会となっていて世の中が自律神経の乱れやすい環境になっているのです。
前述しましたが、最も出やすいのは頭痛です。気象病の方の80%以上の方に出ています。次に多いのは、全身倦怠感・だるさ。次に、首肩こり(これは気象に関らず慢性的に持っている方が多いです)、めまい、朝起きられない、低血圧などです。
気温や湿度も意外と大切
気象病は、気圧の変化による不調を訴える方が多いですが、気象条件は他にもあります。気象病の方は「気圧・気温・湿度」の3つをポイントに自律神経のバランスを整えることを心がけて生活していくと良いでしょう。自律神経を整えるためには早寝早起き、十分な睡眠、入浴などを心掛けるとともに、滞った水の巡りを良くする漢方などの内服も効果があるでしょう。当院では漢方の処方もおこなっていますので、これからの季節にお身体の調子が何となくスッキリしない方など、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。