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胸のくぼみ、それ漏斗胸かも?!

[2026.05.17]

 漏斗胸とは?
✔ 漏斗胸は、前胸部の胸骨(胸の中央にある骨)の下部が図のように内側に陥凹し、漏斗状にくぼんでいる状態を指します。
✔ 発症率は400~1000人に1人であり、兄弟姉妹や親子間での家族内発生も3割程度認めることより遺伝的素因もあると考えられています。男女比は約3対1で男性に多いとされています。発生時期は乳幼児期が多いですが、成長に伴って思春期に目立つようになることもあります。

漏斗胸の症状
●幼児期・学童期:
・本人は気付かないことが多いですが、親が検診などで指摘されるケースがあります。
・風邪をひいた際に咳が長引いたり、気管支の圧迫により喘息様の症状が出やすくなることがあります。
・食が細い、体重が増えにくいといった症状が見られることもあります。
・学童期以降は、見た目のコンプレックスから自信を失ったり、友達にからかわれたりすることがあります。
・運動時に疲れやすい、息が上がりやすいといった訴えを認めることがあります。
●思春期以降・成人期:
・胸痛、動悸、不整脈、倦怠感などが現れることがあり、重症例では心臓や肺が圧迫され、肺活量の低下や呼吸困難を引き起こすことがあります。
・成人例では左右の胸壁の厚さが異なる非対称性変形や側弯の合併例もあります。
・外見上の悩みから、心理的・精神的な問題(劣等感、うつ状態など)を抱えることがあります。

漏斗胸の診断・検査
✔ 視診・触診: 胸のくぼみの程度や非対称性を確認します。
✔ 胸部X線検査: 胸郭の形状や、心臓・肺の位置関係を把握します。
✔ 胸部CT検査: 胸郭の変形の正確な評価や、陥凹程度の指標であるHaller indexの算出に用いられます。
✔ 心電図・心エコー図: 心臓の機能やリズムに異常がないかを確認します。
✔ 肺機能検査: 肺活量や呼吸機能の低下がないかを測定します。

治療法:手術と保存療法
保存療法:
・軽度の漏斗胸や、症状がほとんどない場合は、運動療法や姿勢改善などが検討されす。
手術療法:・Haller indexが一定以上、心肺機能の低下、または患者本人が外見上の悩みを強く抱えている場合に考慮されます。骨格の変形自体が治るわけではありません。
✔ 自然経過の中で完全に変形が完治することは稀であり、症状がある場合や見た目が気になる場合は専門医への相談をおすすめします。
▶ Nuss手術: 全身麻酔下で図のように胸腔鏡併用でチタン合金性のバーを側胸部より挿入し、陥凹した胸骨を持ち上げる低侵襲手術。金属バーは通常は2~3年後に再度手術により抜去します。1~2cm程度の小さな手術創のみで骨を切ることなく試行が可能となっており低侵襲な術式です。

自然経過と改善の可能性
✔ 乳幼児期(3歳まで)は胸郭が変化しやすいため、経過観察が推奨されます。
✔ 小学校入学頃までには胸の変形に大きな変化はないことが多いですが、一部で進行するケースもあり

ます。

✔ 成人になると、皮下脂肪が増えることで外見上のくぼみが目立たなくなることがありますが

漏斗胸は、呼吸器外科、小児外科、形成外科などで扱われます。私は大学で呼吸器外科を専攻し大学病院や関連施設で研鑽してきたため、数々の漏斗胸患者様の治療を担当してまいりました。その経験を活かし、当院では大学病院と連携し、当院にて診察後に手術の可否や治療を含め大学病院へスムーズにご紹介させていただき、術後は当院にて経過観察をさせていただくことが

可能です。また、学生の方は学業に極力影響のない夏期・冬期休暇に加療を検討させていただくことも可能です。早期発見と適切な対応のために、気になる症状や身体所見がある方はお気軽にご相談ください。

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