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低線量肺がんCT検診

肺がんについて

日本人の死因の第1位は悪性新生物(がん)で、日本人の半数が罹患すると言われています。その中でも肺がんの年間死亡数は最も多く、がんの中でも予後は悪い病気であると言えます。しかし自覚症状の無い早い段階で発見することで治療の選択肢が増え、高い確率で完治することが期待できる病気でもあります。従来の胸部X線検査(レントゲン検査)と比較してCT検査による肺がんの発見率は10倍ほど高いとの報告もあり、「有効性に基づく肺がん検診ガイドライン」では、1次検診として40歳以上の非高危険群には胸部X線検査、50歳以上の高危険群(※)には胸部X線検査+喀痰細胞診の併用が「対象とする集団の肺がんによる死亡率を減少させる」とされています。

※高危険群…喫煙指数600以上(喫煙指数=1日の喫煙本数×喫煙年数)

一般的なクリニックですとCTを実施する必要性があると判断した場合
  1. CTがある大きな病院に診療情報提供・CT依頼
  2. 待ち時間の上、CTの予約
  3. 別日にCTの結果説明

という流れとなりますが、
当院ではできる限り、来院当日にCTを撮影し、呼吸器専門医が読影し方針を決定しご説明致します。
更なる精査(具体的には気管支鏡検査など)が必要と判断した場合に市立病院や、総合病院などの連携病院へ、診療情報提供をさせて頂きます。

こんな方におすすめいたします
  • 40歳以上の方
  • 喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が600以上の方
  • ご家族が喫煙者で、受動喫煙の心配がある方
  • 血縁者に肺がんの人がいる方
  • 有害物質を取り扱っている方
  • 持続する咳や痰、などの症状がある方
肺がんCT検診をお受けいただけない方、または注意が必要な方
  • 妊娠中、妊娠の可能性がある方は検診対象外です。
  • 除細動機能のあるICDやCRTD、またはペースメーカーを装着されている場合は、装着されている機器の影響で画像化(診断)できる範囲が限られる場合があります。(対象者は検診当日に必ず各種手帳をご持参下さい。)

胸部X線検査とCT検査の違いとは?

胸部X線検査は費用負担も少なく比較的簡単に行える検査ですが、早期のがん(小さな病変)を見つけるには限界があると言えます。その理由として胸部X線検査では1方向からX線を照射するため臓器の重なりなどで死角ができ、特に小さな病変を見つけるのは困難です。その点でCTは断面像ですので他の臓器との重なりもなく、臓器を識別する能力にも優れているので、胸部X線検査と比較して、がんの早期発見・早期治療が出来ると国内外の研究で報告されています。しかし、前述のガイドラインでは放射線被ばくの面からほとんどが健常者である検診受診者に対し診療現場で用いられる通常線量を検診には用いるべきでないとされています。

低線量肺がんCT検診とは?

当院における肺がんCT検診とは、低線量CTを意味します。低線量CTでは患者様の放射線被ばく線量を減らすため、通常のCT検査より照射する放射線量を低減させて撮影を行いますが、肺にある陰影の存在の有無は十分に判断可能です。つまり、低線量肺がんCT検診は『肺がんを見つける為の検査』とご理解下さい。また、すべての肺がんがこの検診によって発見出来るわけではないこともご承知おきください。

低線量肺がんCT健診のメリットとは?

  • より小さく、より早い段階でがんを発見することが可能です。
  • 肺がんが早く発見されることにより、早期に治療をお受けいただき、治る可能性が高まります。
  • 肺がん以外の呼吸器の病気(肺気腫、肺炎、気管支拡張症、抗酸菌感染症など)や、肺以外の病気(心臓や血管の動脈硬化、乳腺腫瘤など)が見つかる場合もあります。

低線量肺がんCT検診のデメリットは?

  • 低線量とはいえ、放射線被ばくをします。この検査による被ばくによって将来がんが発症する恐れは非常に低いと考えられますが、ご自身の肺がんリスクと照らし合わせ受診については十分ご検討下さい。
  • 喫煙習慣がある、または過去の喫煙歴を有する方を対象に低線量肺がんCT検診を行うと、3~6割の人に何らかの ”異常な陰影”が見つかることが報告されています。このうちほとんどは肺がんではありませんが、陰影のなかには、肺がんと非常に紛らわしいものもありますので、詳細な精密検査や定期的な経過観察が必要となる場合があります。

検診結果について

結果は、当院の呼吸器外科専門医と外部の放射線診断専門医の2名によるダブルチェック後、2〜3日後結果をご説明いたします。腫瘍マーカーなどの特殊な採血項目を追加の場合は1週間後以降に結果をご説明いたします。検診の結果が陰性であっても、これ以降、肺がんに罹患しないというわけではありません。進行が早い肺がんの場合、次回の検診までの間に自覚症状でみつかる場合もございます。

検査費用

CT撮影8,250円/回(税込)自費診療となります。

*精密検査が必要と判断された場合は、それ以降の診察は健康保険の適用となります。

検査日時

専用時間帯は設けておらず、診察時間内でしたらいつでも検査が可能ですが、混雑しているとお待たせしてしまうことがございますので、できる限りホームページまたはお電話でご予約をお取りになられることをおすすめ致します。

 

参考:胸部検診研究会 精度管理部会 CT検診制度管理ガイドライン第1版より

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