禁煙外来
※現在飲み薬(チャンピックス)の流通がなく、どこのクリニックでも飲み薬での禁煙治療が出来ない状況です。当院でもニコチンパッチ(ニコチネルTTS)による治療となりますことをご了承ください。
自力で禁煙するより禁煙補助薬や禁煙治療が効果的!
たばこに含まれるニコチンには依存性があるため、「禁煙したいと思ってもなかなかやめられない」ニコチン依存症という脳の病気にかかっているかもしれません。
ニコチンパッチ等の禁煙補助薬を買って使うと、ニコチン切れの症状(離脱症状)をおさえることができるので、自力で禁煙するより3~4倍禁煙に成功しやすくなると言われています。
当院は一定の施設基準を満たした医療機関ですので、条件を満たした方であれば保険適用で治療をお受けいただけます。近年、治療方法が進化し、禁煙治療を終了した人の約7割の人が禁煙に成功しているとされています(※5回の禁煙治療終了者のうち、治療終了時に4週間以上の禁煙に成功した者の割合)。
ニコチンガム、ニコチンパッチ、飲み薬等の禁煙補助薬を使うと禁煙しやすくなります。2020年度からは加熱式たばこの禁煙治療も対象となっています。お気軽にお問い合わせください。
医師や専門家に相談しながら、禁煙にチャレンジしてみませんか?
たばこの影響で亡くなる人は年間19万人もいます。
日本人の予防できる最大の死亡原因は「喫煙」だと言われています。
喫煙は、脳卒中や心臓病をはじめ、がんや循環器疾患、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を含む呼吸器疾患、糖尿病、歯周病など、さまざまな生活習慣病のリスクになる等、多くの病気と関係しており、日本では年間約19万人が、喫煙が原因で亡くなっているという報告があるほどです。
また、たばこの煙には5,300種類以上の化学物質が含まれており、周りの人の健康にも悪影響を及ぼします。受動喫煙によって、虚血性心疾患や肺がんのリスクが高まることが分かっており、年間約1万5千人が受動喫煙が原因で亡くなっていると推計されています。
昨今、加熱式たばこは喫煙者本人及び周囲への健康影響や臭いなどが紙巻きたばこより少ないという期待から、使い始める方が多くいます。しかし、加熱式たばこは、販売からの年月が浅く、長期使用による健康影響は研究中であるものの、たばこ煙にさらされることについては安全なレベルというものがなく、喫煙者と受動喫煙者の健康に悪影響を及ぼす可能性が否定できないと考えられています。
ご自分と周りの人々の健康を守るため、喫煙している人は、できるだけ早く「禁煙」に取り組みましょう!
禁煙することのメリット
禁煙をスムーズにさせるためのコツ
「禁煙しよう!」と思ったら、すぐに準備を始めましょう。ここでは、禁煙をスムーズに進めるためのコツを紹介します。
① 禁煙開始日を設定しましょう!
まずは、禁煙を開始する日を決めましょう。誕生日、記念日や1のつく日など覚えやすい日がよいでしょう。
② 吸いたい気持ちのコントロール方法を練習しましょう!
禁煙開始後2~3日をピークに禁煙の離脱症状(禁断症状)が現れ、この症状は、個人差がありますが、緩やかに10~14日間続くと言われています。
おもな離脱症状
- 「たばこを吸いたくてたまらない!」という気持ち
- イライラして落ち着かない
- 元気が出ない
- 集中できない
- 頭痛
- からだがだるい
- 食欲が増す
禁煙を始めると、1日に数回「たばこを吸いたくてたまらない!」という気持ちになる場合があります。この気持ちはずっと続くわけではなく、長くても3~5分程度です。
禁煙を始める前に、「自分はどんなときにたばこを吸いたくなるか」「吸いたくなる場面で、たばこの代わりになることは何か」を考えて表にしてみましょう。そして、禁煙を始める前に実際に練習してみましょう。
たばこを吸いたくなる場面と代わりの行動例
たばこを吸いたくなる場面 | 代わりになる行動例 |
---|---|
朝起きてすぐ | すぐに顔を洗う |
食事のあと | 歯を磨く |
コーヒーと一緒に | コーヒーを紅茶などに代えてみる |
出勤中の車の中 | 大きな声で歌う |
仕事の休憩時間 | 職場の人に禁煙宣言をする |
帰宅時の車の中 | 何回か深呼吸をする |
アルコールと一緒に | 冷水を置いておき、吸いたいときに飲む |
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「禁煙の準備-禁煙7日前から行う、禁煙のコツを教えます!《準備編》」
禁煙治療の流れ
健康保険を使った禁煙治療の流れ
健康保険等を使った禁煙治療では、12週間で5回の診療を受けていただきます。4回目(12週)までは、禁煙補助薬の処方箋をお出しします。
※注意
- 禁煙補助薬の保険適応は初回受診日より12週までです(禁煙開始日ではありません)。13週以降の薬剤費は自費となります。
- 禁煙治療の初回受診日より1年間は再度の禁煙治療は健康保険の適応にはなりません。
禁煙治療の対象者(保険適用者)
- 過去1年以内に保険で禁煙治療を受けていない
- すぐに禁煙したい意思がある
- ニコチン依存症診断テスト(TDS:Tobacco Dependence Screener)で5点以上
- 35歳以上の方で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上
(20歳から1日15本喫煙している40歳の人なら、15(本)×20(年)=300で、対象となります)*35歳未満の方は、喫煙指数による制限はなくなりました。)- 禁煙治療を受けることに文書で同意している
禁煙治療を成功させるためには下記をお勧めします。
- 禁煙治療は初回受診日より早めに開始する
- 出来るだけ連続して受診する(予定受診日より早い受診もOK)初回(初診時)禁煙治療に関する問診票、健康保険で禁煙治療ができるかどうか判断します。
初回
- 喫煙状況、禁煙の準備性の確認、ニコチン依存症スクリーニングテスト(TDS)を受けます。
- 呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度の測定検査をします(タバコの中に含まれる有害物質の一つである一酸化炭素(CO)を、どのくらい体内に取り込んでいるかを測定します)。
- 身長・体重測定をします。
- 医師の診察と禁煙のアドバイスを受けます。
- 禁煙日の決定
- 禁煙開始日の決定と禁煙宣言書にサインをして頂きます。禁煙補助薬の処方箋をお出しします。
- 次回診察日の確認
2回目以降
- 喫煙 (禁煙)状況をお聞きします。
- 副作用や離脱症状の有無の確認を致します。
- 呼気中(吐き出す息)の一酸化炭素濃度の測定検査をします。
- 急激な体重増加が無いか体重測定をします。
- 医師の診察と禁煙継続にあたっての問題点の把握とアドバイスを受けます。
- 追加の禁煙補助薬の処方箋をお出しします。
- 次回診察日の確認