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長引く咳 咳治療

咳はなぜでるの?

咳は、気道の中にある分泌物や異物を外に出すための正常な防御反応でもあります。例えば、かぜにかかった時に咳や痰が出るのは、体の中に入ったウイルスや細菌を外に追い出すためです。ただ、正常な防御反応以外に、感染後の過剰な反応、喘息、アレルギーなどの病気が原因で咳が長引いてしまうことも少なくありません。

咳は、肺や気管支の受容体と呼ばれるセンサーが刺激され、神経を介して脳に行き、反射的に誘発されます。咳のセンサーは、鼻、喉、耳、食道にもあるため、耳掃除や、鼻炎、咽頭炎、逆流性食道炎などがあると咳が出ることがあります。

咳の分類

咳は、「持続時間」と「痰の有無」によって分けることが多いです。
それは、なぜでしょうか?

咳が出始めたばかりは、感染症(バイ菌による反応)による咳が多くなります。咳が続く期間が長くなるにつれて、感染症以外の咳の割合が増えてきます。
また、黄色や緑色といった痰と共に咳が出る場合も感染症の可能性が高くなります。まずは感染症かそれ以外、を判断することが重要です。当院では医師・看護師による詳細な問診に力を入れております。患者様との対話から得られる情報をもとに必要な検査を実施し、原因を絞り込みます。

咳の原因

咳症状

上の図のように、感染症/感染後咳嗽は時間経過と共に減っていきます。多くは2週間以内にピークを超えて改善してきますので、2週間経っても変わらない咳症状は、感染症以外が多くなってきます。
例えば、咳喘息などによる咳は、風邪薬や咳止めを使っていても、いつまで経っても治らないことが多いです。ですので、長引く咳の症状がある場合は、しっかりと医療機関を受診して、診断・治療が必要です。

次に主な咳の原因を挙げていきます。

感染症

咳が出始めてから1週間以内は感染症のことが多く、痰を伴うこともあります。
多くはウィルス感染症であり、発熱、鼻水、鼻詰まり、喉が痛いなどのかぜ症状を伴うことが多いです。発症してから、3~5日目が咳のピークで、10日目くらいになるころには、80%はおさまってきます。
そのほか、マイコプラズマ感染症、百日咳などの症状の場合もあります。

感染後咳嗽(かぜ症候群後咳嗽)

かぜの症状はよくなったのに、咳だけが続くことがあり、感染後咳嗽(かぜ症候群後咳嗽)という病態が知られています。
空気の通り道である気管支を覆っている細胞が、ウィルスなどによりダメージを受け、炎症がおこり、咳が起こりやすい状態(咳の知覚過敏)が続きます。
咳喘息などの、他の咳との区別が難しいこともあります。
治療薬は、コデインなどの鎮咳薬、アレルギー薬、漢方などです。

後鼻漏(咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎)症候群

鼻水が後ろに垂れ込んで、炎症が起こり、咳が出やすくなります。
咳以外に、鼻水がのどに落ちる感じがする、のどがゴロゴロして咳がからむ、頻回の咳払い、などが症状です。
副鼻腔炎、蓄膿がある方もいらっしゃいます。

喉頭アレルギー

喉頭は、口から気管へ続く道の間にある部位です。高さとしては、ちょうど、のどぼとけのあたりになります。
喉頭アレルギーとは、鼻や口から入ったアレルギーを起こす物質(アレルゲン)によって、喉頭の粘膜でアレルギー反応が起きている状態です。
スギ花粉症の時期に、のどが痒くなるのは、この喉頭アレルギーである可能性があり、長引く咳の原因の一つとしても考えられています。
アレルゲンによって、季節性喉頭アレルギーと通年性喉頭アレルギーに分類されます。

症状

長引く、乾いた咳
のどの異常感(のどのかゆみ、イガイガ感、痰がからんだような感じ、チクチクした感じ)

原因

原因物質としては、スギやヒノキといった季節性の花粉によるものや、ダニ、ほこり、カビ、犬猫などペットの毛・フケなどのアレルギー物質によるものがあります。

治療法

かぜ薬、一般の咳止めは無効で、ヒスタミンH1拮抗薬(花粉症の薬)が効くことが多いです。

アトピー咳嗽

喉頭アレルギーとほぼ病態が同じですが、アレルギーが生じる部位が異なります。
気管から気管支にかけて、アレルギー反応が生じて、気道が蕁麻疹のようになった状態です。そうなると、わずかな刺激でも咳が出やすくなります。
治療法は、花粉症で使われるアレルギー薬、ステロイドの吸入薬になります。

逆流性食道炎

典型的な場合、胃酸が上がってくる、胸焼けがあるなどの症状があります。
咳は、食後や寝ると誘発されて出現される場合があります。
初めから逆流性食道炎により、咳が出現するケースはそれほど多くないと考えます。咳喘息、アレルギーなどで、咳が続いた結果、逆流性食道炎も合併し、咳がなかなか治らないというケースが多いです。

 

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